hitoitsuhito

◀HOME

映画『パリの恋人』―オードリー・ヘプバーンとファッション、パリの魔法に彩られた一作

1957年に公開されたアメリカ映画『パリの恋人』(原題:Funny Face)は、ロマンチックなストーリーとミュージカル要素、そして華やかなファッションと美しいパリの風景が織り成す魅力的な作品です。主演は永遠のアイコン、オードリー・ヘプバーン。彼女の洗練された美しさとチャーミングな個性がスクリーンに花開くこの映画は、今なお多くのファンの心を掴んで離しません。


作品情報:
『パリの恋人』(原題:Funny Face)(1957年公開)
出演:オードリー・ヘプバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプスン/監督:スタンリー・ドーネン


『パリの恋人』[DVD]
» Rakuten » Amazon [PR]

あらすじ

ニューヨークの女性ファッション誌「クオリティ」編集部。編集長マギー(ケイ・トンプソン)は、ファッション業界のトレンドを牽引するべく、次なるキャンペーンの顔を探していました。ある日、カメラマンのディック・エイブリー(フレッド・アステア)が撮影のために訪れたのは、知性あふれるブックショップ。


そこにいたのが、オードリー・ヘプバーン演じる店員のジョー・ストックトン。読書家で、哲学を愛するインテリな彼女は、ファッションには全く興味がないものの、彼女の個性的なルックスと気品に目をつけたマギーとディックは、ジョーをモデルとしてスカウトします。


当初は乗り気でなかったジョーですが、撮影で訪れることになるパリという街と、自身が憧れる哲学者との出会いに期待を膨らませ、モデルの仕事を引き受けることに。そして、彼女とディックの間には少しずつロマンスが芽生えていきます。

見どころ

『パリの恋人』の最大の見どころは、美しいパリの街並みと、豪華なファッション、そして洗練された音楽とダンスが融合した映像美です。特に、ルーヴル美術館やエッフェル塔、モンマルトルといった観光地で行われる撮影シーンの数々は、まるでファッション誌の誌面がそのまま動き出したかのよう。


また、フレッド・アステアによるタップダンスやケイ・トンプソンのパフォーマンスも圧巻で、ミュージカル映画としての完成度も高い一作です。軽快なテンポで展開するストーリーは、シンプルながらも心温まるラブストーリーとして楽しめます。

オードリー・ヘプバーンの役柄

本作でオードリー・ヘプバーンが演じるジョー・ストックトンは、書店に勤める地味なインテリ女性。しかし、撮影を通じて洗練されたモデルへと変貌を遂げていきます。内面の知性と誠実さを失うことなく、外見の魅力を開花させていく彼女の姿は、まさに当時の女性たちの理想像だったといえるでしょう。


オードリー・ヘプバーン自身もまた、知的で芯のある女性像として知られており、ジョー役は彼女の魅力を最大限に引き出すキャラクターです。物語の中で次第に自分自身に自信を持ち、夢と恋を手に入れていくジョーの姿は、今見ても多くの共感を呼びます。

オードリー・ヘプバーンの衣装

『パリの恋人』は、ファッション映画としても高く評価されており、その中心にはオードリー・ヘプバーンの洗練された衣装があります。
有名なブラックドレスに加え、レッドのドレスやボートネックのカジュアルな装い、バレエシューズを取り入れたコーディネートなど、シーンごとに異なる衣装の数々は、観る者の目を楽しませてくれます。
映画を見終わったあとに、「あのドレスが忘れられない」と感じる人も少なくないはずです。シンプルでエレガント、かつ女性らしさを感じさせるジバンシィの衣装は、オードリー・ヘプバーンの魅力をさらに引き立てています。


この映画における衣装デザインは、ユベール・ド・ジバンシィがオードリー・ヘプバーンの衣装を手がけ、イーディス・ヘッドはそれ以外のキャラクターの衣装や、全体的な衣装監修に関わりました。ジバンシィは、オードリー・ヘプバーン自身の強い希望で彼女のスタイリングを担当し、ファッション性の高いドレスやコーディネートを提供。一方、イーディス・ヘッドは当時パラマウントの専属デザイナーであり、ジバンシィと連携を取りながら、映画全体の衣装設計に関与しました。
両者のコラボレーションにより、ファッション映画としての完成度が非常に高いものとなっています。


これらの衣装は、単に美しいというだけでなく、オードリー・ヘプバーンが演じたジョー・ストックトンというキャラクターの内面の変化も見事に反映しています。


・最初は、シンプルで地味なモノトーンが中心。
・モデルとしてパリを訪れ、次第に華やかなファッションに身を包むように。
・最後には、自分らしさと華やかさのバランスが取れた“自立した女性像”として完成される。


この変遷は、視覚的にも物語的にも非常にわかりやすく、観る者に深い感動を与えます。オードリー・ヘプバーンの衣装は、彼女の演技とともに、映画全体の世界観を彩る重要な要素なのです。

オードリー・ヘプバーンの見どころ

この映画でのオードリー・ヘプバーンの魅力は、なんといってもその変化と多面性です。冒頭の地味な書店員から、パリで輝くトップモデルへと成長する姿は、彼女自身のキャリアや魅力の象徴ともいえるでしょう。


また、本作では彼女のダンスや歌唱シーンも楽しむことができ、ファッションだけでなく、演技力・表現力の幅の広さを感じられる点も大きなポイントです。特に、パリの街角や教会裏で見せるバレエのようなパフォーマンスは、彼女の細やかな身体表現の美しさが堪能できます。


そして、ジョーとしてディックとの間に芽生える恋心や葛藤、夢を追う中での揺れる感情など、心の機微を自然体で演じるヘプバーンの演技は、やはり唯一無二の存在感があります。

まとめ

『パリの恋人』は、単なるロマンティック・コメディに留まらず、1950年代のモードと文化、そしてオードリー・ヘプバーンというアイコンの美しさが詰まった芸術作品です。洗練されたファッション、魅力的なロケーション、優雅な音楽と共に、心温まるストーリーが展開される本作は、今なお色あせない魅力を持ち続けています。


「美しさとは何か」「自分らしさとは何か」――そんな問いに、優しく語りかけてくれる本作。映画を観終わったあと、ふとパリの街に思いを馳せながら、オードリー・ヘプバーンの残した足跡をたどりたくなる。そんな余韻をもたらしてくれる作品です。


オードリー・ヘプバーンの代表作の一つとして、またファッション映画の金字塔として、ぜひ一度は観ておきたい名作といえるでしょう。


『パリの恋人』[DVD]
» Rakuten » Amazon [PR]