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映画『モンテカルロへ行こう』―若きオードリー・ヘプバーンが放つ、明るく軽やかなミュージカル・コメディ

1952年にフランスで公開された映画『モンテカルロへ行こう』(原題:Nous irons à Monte Carlo)は、華やかなモンテカルロを舞台にした、明るく軽やかなミュージカル・コメディです。オードリー・ヘプバーンが国際的スターになる直前に出演した本作では、彼女の初々しい魅力と才能の片鱗が垣間見える貴重な作品として、今もファンの間で愛されています。


作品情報:
『モンテカルロへ行こう』(原題:Nous irons à Monte Carlo)(1952年公開)
出演:フィリップ・ルメール、ダニエル・ゴテ、アンリ・ジーン、ジャネット・バティ、オードリー・ヘプバーン、マルセル・ダリオ、レイ・ヴァンチュラとその楽団/監督: ジャン・ボワイエ


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あらすじ

物語は、モンテカルロで開催されるジャズ祭に出演するため、楽団員たちが演奏旅行に出るところから始まります。バンドのメンバーの一人は孫を預かっていたため、その赤ちゃんを連れて旅に出るのですが、保育所での手違いによって、なんと別の夫婦の赤ちゃんを連れて行ってしまいます。


その赤ちゃんは、オードリー・ヘプバーン演じる離婚寸前の映画スターの子どもでした。映画の中では彼女とその関係者たちが赤ちゃんの行方を追い、慌てふためきながらモンテカルロ中を駆け回る騒動が繰り広げられます。


軽妙なユーモアと音楽、そしてモンテカルロの風景を交えながら、赤ちゃんを巡る珍道中が展開されていくコメディ作品です。

見どころ

本作の見どころは何といっても、「赤ちゃん取り違え事件」を軸にしたドタバタ劇と、そこにミュージカルの要素が絡む軽快なテンポです。演奏旅行という旅要素と、思わぬトラブルによって巻き起こる騒動が、全編にわたり愉快に描かれています。


また、ロケ地として選ばれたモンテカルロの風景は物語に彩りを与えています。その明るいトーンと、洒落た演出が魅力的です。


そしてもう一つの注目点は、英語版とフランス語版が同時に撮影されているという点です。ヨーロッパ映画の多言語制作の一例としても興味深く、言語や文化の壁を越えて届けられた作品であることが分かります。

オードリー・ヘプバーンの役柄

オードリー・ヘプバーンが演じるのは、離婚寸前の映画スターという役柄。彼女は華やかな生活を送りながらも、母親としての顔を持つ複雑な女性を演じています。


本作ではそれまでの出演作よりも多くのシーンが与えられており、感情の振れ幅やコメディ的なタイミングのセンスが光ります。まだ20代前半の彼女ですが、スターとしての存在感は既に確立されており、優雅さとユーモアのバランスが非常に見事です。


この作品での演技が、後にフランスの作家コレットの目に留まり、彼女は舞台「ジジ」でブロードウェイ・デビューを果たすことになります。その意味でも、この映画は彼女のキャリアにおける重要な転機だったのです。

オードリー・ヘプバーンの衣装

『モンテカルロへ行こう』におけるオードリー・ヘプバーンの衣装は、フランスの名門メゾンであるディオール(Dior)によって提供されたものです。まだ無名に近かった彼女がディオールの装いを纏ってスクリーンに登場したことで、独特の上品さと華やかさが際立っています。


洗練されたシルエット、パリらしいシックな色合い、エレガントな帽子や手袋など、のちのヘプバーン・スタイルの萌芽を感じさせるコーディネートは、ファッションの観点からも非常に興味深いです。


モンテカルロを舞台にしたロケーションにもよく映え、彼女の持つ気品と相まって、映像美としても高い評価を得られる内容となっています。

オードリー・ヘプバーンの見どころ

この映画におけるオードリー・ヘプバーンの見どころは、何といっても彼女の瑞々しい演技と、ロケ地モンテカルロの中で見せる活き活きとした表情です。


劇中では赤ちゃんの行方を追って駆け回るシーンが多く、彼女の表情やリアクションの豊かさが際立ちます。また、音楽やコメディ要素との親和性も高く、彼女の天性のセンスが光ります。


さらに、現地モンテカルロでのロケにおける彼女の姿が、フランスの作家コレットの目に留まり、ブロードウェイ舞台『ジジ』での起用に繋がったというエピソードは、映画史においても重要な逸話です。


若くして確かな才能を見せ始めた瞬間を切り取った貴重な映像資料として、今なお評価されています。

まとめ

『モンテカルロへ行こう』は、若きオードリー・ヘプバーンの魅力が詰まったコメディ映画です。赤ちゃんの取り違えというユニークなストーリーライン、華やかなロケーション、そしてディオールの衣装に包まれたヘプバーンの存在感。


名作『ローマの休日』以前の彼女を知ることができる貴重な一本であり、彼女がどのようにして世界的な女優へと羽ばたいていったのかを理解する鍵となる作品でもあります。


クラシック映画ファン、オードリー・ヘプバーンファン、そしてファッションに興味がある方すべてにおすすめしたい作品です。


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